vol.10 ★ASHFORD&SIMPSON★

 

8/24のブログにも書きましたが、Ashford&Simpsonのニック・アシュフォード(Nick Ashford)が22日、咽頭がんのため、ニューヨーク(New York)市内の病院でこの世を去りました。69歳。

R&B界の売れ線夫婦デュオであり、作曲家としても1960年代から名曲を数多く世に送り出すなど活動期間は非常に長く皆さんが聞いた事ある名曲揃い。
彼らの活躍時期は、60年代後半から73年までの「モータウン期」、73年から81年までの「ワーナー期」、82年から89年までの「キャピトル期」の大きく3つに分類。
66年、レイ・チャールズに"Let's Go Get Stoned"という曲を提供し、これが全米R&Bチャートで1位獲得。

のちにモータウンと契約することになり、マービン・ゲイ&タミー・テレルの"Ain't No Mountain High Enough"が誕生。(67年、同3位)

なお、同曲は、70年にダイアナ・ロスがリメイクしてR&Bチャートで1位を獲得。

73年にワーナーに移籍した彼らは、ソングライターとしてチャカーンの"I'm Every Woman"(78年、R&B1位)を制作し提供。

84年には、"Ashford&Simpson"名義でヒットした"Solid"はR&Bチャート1位を獲得。

 

他にも彼らの素晴らしい曲が沢山ありますので、次回もご紹介いたします。

vol.9 ★T.S.MONK★

1980年、1stアルバム。

言わずと知れたジャズ・ピアニスト巨匠セロニアス・モンクの息子。

ダンサブルな80's NYサウンドで、"CHIC"や"CHANGE"あたりが好きな方には、おすすめ。

プロデューサーは、ドクター・バザーズ・オリジナル・サヴァンナ・バンドやオデッセイ、後期のクール&ザ・ギャングの作品等を手がけたサンディ・リンザー。

「Candidate For Love」やパブリック・エネミーにサンプリングされた事でも有名な、躍動感に満ちたビートが素晴らしい「Bon Bon Vie」が当アルバムのハイライト。
個人的によくプレイするのは、ファット・ラリーズ・バンドも演っている「Can't Keep My Hands To Myself」

アーバン・ファンクで、どちらのバージョンも素晴らしい。

2nd('81)"MORE THE GOOD LIFE"では、"TOO MUCH TOO SOON"あたりが、好曲でおすすめ。

3rd('82)もなかなかの仕上がりで、ミディアム・ファンクな"PLAY SIDE TWO"がナイス!

vol.8 ★ACE SPECTRUM★

NY出身4人グループの1974年の1stアルバム。
全体的にソフトでポピュラーな内容でボーカルグループ初心者にもおすすめです。
プロデューサーはMain IngredientTony Sylvester
1曲目の"Don't Send Nobody Else"は、さわやかミディアムテンポの好曲。

Ashford & Simpson作で、翌年、Dynamic Superiorsがカバー

原曲よりも軽快なアレンジで、こちらもおすすめ。

James Taylorのカバーで、"Don't Let Me Be Lonely Tonight"と、Isleyのカヴァーで"If You Were There"。

"Don't Let Me Be Lonely Tonight"はIsleyのカバーバージョンが有名で、本作は、こちらをイメージしている感じ。

"If You Were There"は、Isleyの人気曲ですが、こちらも負けず劣らずで、軽快かつ爽やかな好内容。

"I Don't Want To Play Around"は、ファルセットで、じっくり聴かせるスイートナンバーかと思いきや、後半からは、じわりじわりとアップに変わるドラマチックな展開。

本作以外に2枚、アルバムをリリースしていますが、どれもすばらしい内容ですので、是非聴いてみて下さい。

vol.7 ★Hi-Gloss★

NYの名門レーベル"Plelude"のレコーディング・セッション用に集められたメンバーで結成されたグループ、ハイ・グロス。

Changeのベーシスト"ティミー・アレン"Break Waterのキーボーディスト"ケイ・ウィリアムスJr"といった実力派が揃い、さらにはバックボーカルに、ルーサー・ヴァンドロスまで参加してる!

メロウでグルーヴィーなディスコ・クラシック"You'll Never Know"

ミドルダンサーチューンの"I'm Totally Yours"

他にも、極上なNYサウンドが満載。

ネタものとしては、LL COOL J の"You&Me"が有名。

日本人では、笠井紀美子が"New Pastel"という84年のアルバムで"You'll Never Know"をカバーしている。

 

vol.6 ★Timmy Thomas★

Timmy Thomasの72年、1st アルバム。SADEが1stアルバムでカヴァーしていた「Why Can’t We Live Together」(「何故一緒に生きられないの?」と反戦や人種差別のことを歌っている)をヒットさせた人。

R&BチャートNo.1(ポップチャート3位)。

44年インディアナ州生まれのキーボーディスト。

メンフィスのStax/VoltやGoldwaxでスタジオ・ミュージシャンとして活動、70年にマイアミに移り、このヒットを出す。

その後はT.K.レコードでKC & The Sunshine BandやBetty Wright、Gwen McCrae等のレコーディングに参加している。

リズムボックスにオルガンだけのバックにボーカルをいれた構成。

シンプルだが音の隙間にうねるオルガンが、とても気持ちいい。

2003年にデビューしたJOSS STONEのバックでも参加している。(他にもLittle Beaber、Betty Wright、Latimoreと蒼々たるマイアミミュージシャンが参加)

レア・グルーブファンにもおすすめできる名盤です。

vol.5 ★Zingara★

モータウンのH-D-H、本人が立ち上げた"インヴィクタス"レーベルなど、ノーザンソウルのソングライターとしての重要人物"ラモンドジャー"プロデュース作品。

1981年作

とにかくはずれがない傑作!

しかも、このメンバーの中には、後にQジョーンズに見いだされ、ソウル界で名を知らしめることになる"ジェームスイングラム"が、参加!(クレジットには別名で記載)

構成としては、A面がメローサイドで、B面がダンサーサイド。

バランスがとれた質の高い、ソウルファンに人気の高いアルバムです。

とくにおすすめは、

B-1 "I SURRENDER" アップ

A-2 "YOU SHO' KNOW HOW TO LOVE ME" ミディアム

A-3 "LOVE'S CALLING" スロー

他にも名曲揃い。

これからのソウルファンにも是非おすすめしたい1枚です。

 

vol.4 ★BERNARD WRIGHT★

NY出身のフュージョンキーボーディスト。

13歳にして、レニーホワイトのツアーに参加!!

そして本作は81年発表のファンキーな名盤ファーストです。

トム・ブラウンに見出された、彼のファンキーなセンスが如何なく発揮されている1枚。

P-FUNK好きが唸る名曲”HABOGLABOTRIBIN'”

2PACの”LIE TO KICK IT”、SNOOP DOGGの”GZ & HUSTLAZ”、などに使用されたネタ。 

クールなスムースナンバー"MUSIC IS THE KEY"(WELDON IRVINEのカヴァー)もナイス!

ZEEBRA「未来への鍵」のネタでも使用。

マイルス・デイヴィス「SOLAR」をきっちり4ビートで演奏していたりもする幅の広い作品。

DAVE GRUSIN, BUSTER WILLIAMS, DON BLACKMAN, ROY HAYNES参加。

ちなみにMASTER ROCKERは、Soul Stream dance mix vol.1に収録しているグルービーナンバー。

のちにマーカスミラー率いるジャマイカボーイズのメンバーとして参加。

なんでもこなすマルチプレイヤーです。 

vol.3 ★SKOOL BOYZ★

今回は先週、購入した「SKOOL BOYZ」をご紹介します。

STAN SHEPPARDが在籍した、皆さんご存知「BY ALL MEANS」の前身グループ。

 

「BY ALL MEANS」を始め、「GERALD ALSTON」、「GENE RICE」などの作品で敏腕を振るったSTAN。彼がそのキャリアの初期に在籍し、3枚のアルバムを残したグループ「SKOOL BOYZ」の81年ファースト・アルバム。


リーダーのCHAUNCEY MATTHEWS、後にBY ALL MEANSにも参加するスタンの弟、BILLY SHEPPARDを含む4人のメンバー。

本作は、全体的にアーバン・コンテンポラリーでスロー、ミディアム、アーバンファンクな内容。

81年ということもあり、生音なサウンドで構成されているところも気持ちいい。

 

個人的にはスローミディアムな「Your Love」や「This Feeling Must Be Real」あたりがおすすめです。

歌ものがお好きでしたら是非。

深夜のゆっくりした時間に、お酒とともに楽しんでみては。

 

 

vol.2 ★THE INDEPENDENTS★

今回もシカゴのアーティストをご紹介します。

1972年に”THE FIRST TIME WE MET THE INDEPENDENTS"でデビューした、チャック・ジャクソン、モーリス・ジャクソン、ヘレン・カリーの男女混成によるグループ。

バラードに定評があり、73年にはスイート名曲「Leave Me」がR&Bチャート1位。

個人的には、アップテンポなナンバー「I Love You Yes I Do」がお気に入りです。

その次にリリースされた2nd「CHUCK,HELEN,ERIC,MAURICE」ではメンバーが一人増えております。

こちらも全体的にはバラードがメインですが、その中で「In The Valley Of My World」が

Jay-Z/Allure(Just Blaze Remix)でサンプリングされていたり、ニューソウルな人気曲「Lucky Fellow」

などが収録されています。

「Lucky Fellow」は「Lake Side」というマイナーレーベルからモーリス・ジャクソン名義のシングルが

ヴァージョン違いでリリースされています。

ちなみにアレンジはダニー・ハザウェイ。

リロイ・ハトソンがカバーしているヴァージョンもナイスです。

vol.1  ★ LOLEATTA HOLLOWAY ★

先月の3/21に心不全にて、

他界してしまったロリータ・ハロウェイを紹介いたします。
(たまたま自分の誕生日が3/21だったものでなにか運命的なものを

感じてみたりして。)

シカゴ出身でありながらディープな唱法のゴスペル系シンガー。
ヒット曲としては、「Love Sensation」、「Hit And Run」など

Garage Classicとして有名。
他にもSalsoul Orchestra在籍にて大ヒットした「Ranaway」、

Dan Hartmanとの共演の「Relight My Fire」のDiscoヒットなど、

みなさんが耳にしたことのあるとても有名な人です。

その中でも、彼女の持ち味であるディープな歌声が堪能できる

75年に出された名盤「CRY TO ME」。
タイトル曲のCry To MeはR&Bチャート10位。

熱く歌い上げるボーカルの迫力に、圧倒。
アレサフランクリンやシェリーブラウンあたりが好きな方は、おすすめです。
若い方には、ディスコ時代の方が評価されがちですが、
ここはひとつ、熱いレディーソウルに耳を傾けてはいかがでしょうか。
最後に心より、ご冥福をお祈りいたします。